産学官民の多様なステークホルダーが参加する
「メディカル・ヘルスケア リビングラボ」
の運営を通じて 健康寿命延伸に取り組む

【設立の背景】
 我が国は、世界に先駆けて超高齢化社会に突入し、社会保障費の増加や、生活習慣病や認知症の患者数の増加、医療格差、介護施設または人材の不足等の社会的な課題が現実となっており、それらの課題を解決し、国民の健康に対する多様なニーズに対応する新たなヘルスケア産業の継続的な創出と、適切なヘルスケアサービスが選択される環境整備が必要となっています。*1

 また、「未来投資戦略2018」でも「次世代ヘルスケア・システムの構築」の政策のKPIに「平均寿命の増加分を上回る健康寿命の増加」が掲げられ、そのため、早期予防から生活支援までの総合的な認知症対策や、予防・健康管理サービスの創出・活用を推進する動きとなっています。*2

 我々も「健康寿命延伸」の課題について検討を進める中、例えば「生活習慣病」の課題については、いかに個人一人一人の行動変容(健康活動)を喚起するか、例えば「認知症」の課題については、いかに「共生」と「予防」*3に取り組むか、が取り組むべき課題であるとの気づきを得ました。

 これらの課題に取り組むためには、企業だけのイノベーションには限界があり、実際にそれを利用する市民が参加して課題解決を行う仕組みが必要であると判断し、それを担う「一般社団法人健康医療クロスイノベーションラボ」を設立しました。

 我々は、設立3社の事業活動から得た知見を活かし、大学、企業、市民、地域のさまざまなステークホルダーが参加する「メディカル・ヘルスケア リビングラボ」という”場”を運営・推進し、オープンイノベーションによる研究成果の社会実装を支援し、健康寿命延伸と健康医療産業の振興に取り組んでまいります。

 「リビングラボ」とは、市民、企業、自治体、大学・研究機関などのステークホルダーが集い、参加者の知見やノウハウを生かしてPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを回し、社会課題の解決をはかる実証実験の手法を指します。「メディカル・ヘルスケア リビングラボ」は、市民・社会を中心に据え、メディカル・ヘルスケアサービスや医療開発等の検証や課題解決を産学官民で行う新しいイノベーション創出の考え方です。市民の生活や仕事の現場(リビング)を研究開発の場(ラボ)に見立てて、さまざまなステークホルダーと協働してデータを一緒に分析し、課題抽出・解決を行います。

・住民が実証に参加をすることでその地域(カテゴリ)の健康意識向上・健康活動・健康寿命延伸につながる

・そのようなサービス・商品をどんどん生み出していけることで、社会全体(産業全体)もヘルスケアビジネスがサステナブルに回る

・ニーズ 探索・シーズ検証が可能なリビングラボにより、臨床研究や治験がどんどん持ち込まれ、結果、地域 の医療レベル が向上するとともに社会実装による医療産業化の課題解決に繋がる

 このようなことを「メディカル・ヘルスケアリビングラボ」の運営・推進を行うことで実現をしていきたいと考えています。

*1:経済産業省 平成31年度「健康寿命延伸産業創出推進事業」より
*2:内閣府 「未来投資戦略 2018」より
*3:「共生」=認知症の人が、尊厳と希望をもって認知症と共に生きる、また、認知症があってもなくても同じ社会で共に生きる、という意味。「予防」=「認知症になるのを遅らせる」「認知症になっても進行を緩やかにする」という意味。(認知症施策推進大綱(厚生労働省))

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